債務不履行とは?

 

 

「債務不履行」とは、債務者がその債務の本旨に従った履行をしないこと(民法415条)です。簡単に言うと、契約上しなければいけないと定められたことがちゃんと行われていないことを指します。これには3つの類型があります。

 

まずは「履行遅滞」。

 

履行しようと思えばできるのに、履行期になっても債務者がその義務を果たさない場合をいいます。例えば、AがBから釣竿を買い受ける約束をして、代金を支払ったのに、Bが釣竿を引き渡さない場合などです。

 
次に「履行不能」。

 

これは債務の成立後に、その履行が不可能となったことをいいます。AがBから時計を購入するという契約を行った後で、Bがその時計を壊してしまった場合などがこの類型にあたります。

 

壊したのでなく、人混みの中に落としたのなら、ひょっとしたら見つけて引き渡すことも可能かもしれませんが、難しいと考えるのが普通です。このように社会観念上不可能と判断される場合も、履行不能とみなされます。

 
最後に「不完全履行」。

 

これは一応給付は行われたものの、その内容に瑕疵があった場合です。鶏を購入したらその中の一羽が病気だった、コピー機を譲り受けたが相手がそれを持ってきた時にぶつけて破損した、資料の作成を依頼したがミスだらけだった、11枚のユニフォームを頼んだのに8枚しか納入されなかった、など様々です。

 
これらの債務不履行が認められるためには、

 

①債務が存在したこと、

②債務の不履行ないし義務違反があったこと、

③債務者の責任でそうなったこと、

④損害が発生したこと、

⑤不履行ないし義務違反と損害との間に因果関係があったこと、

 

の5つが必要だとされます。