信義則とは?

我が国の民法は、民法全体を貫く基本原則として、同法第1条第1項で「私権は、公共の福祉に適合しなければならない。」と定め、

 

第2項で「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。」と定めています。

 

そして、同条第3項では「権利の濫用は、これを許さない。」と定めています。

 
信義則とは、第2項に規定されている、人は、「信義に従い誠実に」、

 

つまり、一般に期待される信頼を裏切ることのないように、権利の行使や義務の履行を行わなければならないという原則です。

 
この原則は、様々な場面で用いられますが、これには一般的に3つの機能があると言われています。

 
1つ目は、法律行為を解釈するための基準としての機能です。

 

例えば、ある契約が成立したが、当事者間の契約で決めていなかった内容などを信義則に則って解釈するわけです。

 

 

2つ目は、規範の具体化機能です。

 

例えば、お金を支払う債務があったとして、返済するときに、手違いで1円だけ足りなかったとします。

 

このような場合に、1円足りないからといって、受け取りを拒否するのは、信義則に反して不当ではないかと考えるわけです。

 
3つ目は、制定法の存在しない部分を補充する機能です。

 

一例として、売買契約締結前の当事者の関係については、民法に規定はありません。

 

この場合、例えば、売買契約締結のための交渉段階で、お客が、買うふりをしたところ、売主が、相手のために経済的負担を負いながらも尽力したにもかかわらず、

 

いざ契約締結段階になった時に、お客が、実際は買うつもりなどなかったと突然言い出したとします。

 

この場合には、信義則に基づいて、このようなお客の態度は不当だと考えるわけです。